この度新たなランニング専用Tシャツを開発いたしました。
快適なランニング体験を提供したい一心で開発に明け暮れた、こだわりのランTについて紹介させていただきます。
どのシーズンでもストレスなく使えるランTは無いのか
メリノウール ランTを開発するに至った経緯は、”オールシーズン使えて持ちがいい”ランニングシャツが欲しいというランナー達からの声でした。
ランナーの一番のストレスになっていたのが夏の「滝汗」と冬ランでの「汗冷え」。
ランニングで切っても切り離せないのが汗問題。真夏であればTシャツがびちょびちょになるまで汗をかき、Tシャツが肌にはりついて不快感が凄い。集中力も途切れストレスの種になってしまう。
冬場であればそこまで汗をかかないが、Tシャツが濡れぐらいには汗をかく。走っている途中はいいが、休憩中や走り終わったあとは気温の低さから震えるぐらい寒くなる。走っている途中に脱いだ防寒着をもう一度着ると、汗で濡れたTシャツのせいで全く温まらない。
そんなランナー達の悩みを少しでも解決できないかと色々模索した際に気づいたのがウール、メリノウールの存在です。
快適性を実現するためのベストな選択とは?
メリノウールも含めてウールは画期的な素材と言われ、多くの衣類に使われることが期待されますが、値段が高く、そもそも耐久性や使い勝手に難がありました。
素材自体が非常に繊細で虫食いがよく起き、すぐに破れ、毛玉が付きやすいなど、オールシーズンは使いにくい素材としても知られています。ましてやスポーツシーンで使うとなると、「、、、」となるぐらいです。
しかし、メリノウールの
・高い吸湿力(綿の約2倍、通常ポリエステルの約40倍)
・熱伝導率の低さ(通常ポリエステルの約5分の1、ナイロンの約7分の1)
・防臭、抗菌作用(アンモニア、酢酸、イソ吉草酸 、ノネナールに対応)
という機能はランニングの汗問題解決に最適であり何とか使いたいと感じました。
●熱伝導率の違い
熱伝導率が40倍も低いということは、夏場は外気からの熱を通しにくく、冬場は体温を外に逃がしにくくするということです。その機能のおかげでメリノウールは「天然のエアコン」と呼ばれています。
●吸湿力の違い
吸湿力とは汗などの「湿気(しめり)」を吸い取る力です。吸湿力が低いと、汗がこもって「ムレ」に繋がりますが、メリノウールのように吸湿力が高いと汗をすばやく吸って拡げて、空気に逃がすのでべたつきが少なくなります。
独自の紡績技術で強度を大幅に上げることに成功
「メリノウールの良さを活かしながら、デメリットをなくせるか」と模索し続けたところ、課題である強度(破れにくさ、耐洗濯性、毛玉が出にくい)を、技術力で解決することに成功しました。
ここから少しだけ話が難しくなるのですが、、、
表面素材にはウールと吸水速乾機能ポリエステル混紡した特別な生地が誕生。
上の図のように、ウールとポリエステル繊維束の内側に長繊維の束をスパイラル状に閉じ込めることで、ウールの風合い・特性をそのまま、強度を2倍以上に引き上げることに成功したのです。(細く強い新・交撚糸「NIKKE AXIO(R)」製法)
しかもこの製法のおかげで、ウールのグレードも引き上げることができ、ウールの中でも最高級とされるメリノ種の羊毛(メリノウール)を使用。非常に滑らかでチクチクしません。
さらにさらに(熱くなってすみません)
混紡しているポリエステルも特別なものを使っており、断面は丸ではなく特殊な異形断面をしています。
少し分かりにくいですが、イメージ図の溝部分に水分が吸い上げられ(毛細管現象)、吸い上げた水分は丸断面に比べ表面積が大きいので、繊維表面に素早く拡散されるため乾きも早くなります。
要するに、優れた通気性と吸水速乾性を持ち、汗を素早く吸収・発散。体感の涼しさを提供できるということになります。
あとはランナー仕様に仕上げていく
①大胆なメッシュ構造を採用
通気性とドライ感を上げるために、背中や脇部分にメッシュ構造生地を使いました。
メッシュ構造にするとどうしても問題となってくる「透け問題」にも対策を打ち、着用時の透け感を軽減。生地カラーと肌色との差を少なくしたのがうまくいきました。
②ほんの少しの違和感も排除
ランニングザックを背負った時に感じる微妙な違和感。「肩回りが窮屈になるような、後ろに引っ張られるような、、」
それは、服の縫い目に影響されていると推測しました。
よくあるランTの形状だと、肩に縫い目が来ていますが、メリノウール ランTはちょうどランニングザックを背負う位置に縫い目が来ています。この違いにより違和感が軽減されています。
③Tシャツと肌との擦れにも配慮
フラットな縫い目で肌当たりを軽減。走っている最中でもシャツの状態が気になりません。
最後は着用時のシルエットも
いくら機能がよくても、ダサくては意味がありません。着用して鏡を見たときの高揚感、OLENOがずっと大切にしてきた根幹の部分。
アンダーとしてインで着ても、1枚でアウトウエアとして着てもちょうどいい丈で、スタイリッシュに見える全体のシルエットに仕上げました。
特にレディースは、首長デコルテに見せるために深めの襟ぐり、短めのトライアングルシルエットの袖、着用したときに腰にくびれ曲線が出せる緩やかなAラインにこだわっております。
真夏と真冬の実際の着用感は?
~38度の猛暑日~
夜のランニングでしたが、発汗量が非常に多く、さすがにすぐ乾く感じではなかったのですが、肌に汗が残る感じはなく、生地が肌にまとわりつくことはありませんでした。特に背中部分をメッシュ構造にしているので、背中部分が汗でひっつくことはほぼありませんでした。
また当日は暑すぎて、何度も川にダイブして体を冷やしていたのですが、乾く際のあの嫌な臭いがすることもなく快適でした。
~真冬~
詳しくはこちらにまとめております。
その他、ユーザーからいただいたお声
●男性
・冷えにくい
・背中部分がひっつかない
・汗で重たくなることがない
・何かいつもより軽い気がする
・ちょっと大きめのシルエットがいまどきで好き
●女性
・ウール素材なのに、洗濯しても傷みが少ない
・スタイリッシュに見えてシルエットが良い
・汗をよく吸ってくれる
・地味に脇部分がメッシュになっているのが嬉しい
よくいただく質問
Q、ウール素材だと、ランニングザックの「擦れ」「毛玉」が気になるのですが大丈夫ですか?
A、大丈夫です。「NIKKE AXIO」使用により、通常のウールと比べ、抗ピル性、摩耗の強さに優れます。
※抗ピル性:毛玉のような 糸が飛び出したものを 発生しにくくする加工
Q、背中のメッシュが透けるか心配です。
A、着用すると透け感は生地で見るほど透けません。
Q、冬場でも着用できますか
A、メリノウール混なので冬は暖かく、夏涼しいという特性を持っています。
強豪ランナーからもお墨付きをいただいたOLENO メリノウールランT
ぜひ、一度お試しして驚きを実感してください。
【協力いただいたランナー】
西村広和選手 2023年度ITJ 優勝、2022年UTMF 優勝
向井成美選手 2021/2022/2023年LAKEBIWA100 3連覇、2023年奥信濃100 優勝